行動経済学 プロスペクト理論
最近、行動経済学に関する本がたくさん出てますよね。
超専門的で難しいやつから、漫画で読める簡単なやつまでいろいろ出ています。
行動経済学って、人が何かを買うとき、不合理な選択をしがちなので、それを説明するためにできた学問ですよね。
例えば、100円のペットボトルのミネラルウォーターって、味は水道水とたいして変わらないのに、なぜか買いますよね。
500mlの水道水ってめちゃくちゃ安いんですよ。しかも、日本の水道水は飲んでもOKだそうです。
それなのにわざわざ100円出して、コンビニでミネラルウォーターを買う人がいる。
それおかしくないですか?
で、行動経済学なんですよね。私達人間が何かを買う時に、「えっ?なんでそんなもの買っちゃうの?なんでそれを選ぶの?」みたいなことを研究するのが行動経済学ですよね。
行動経済学に、「プロスペクト理論」ていうのがあって、要するに「人は何かを"得る"より"失う"ほうが心理的ダメージが大きい」って理論です。
例えば、これ有名な話ですが
Aさん:
去年の月収27万→今年の月収28万→来年の月収27万
Bさん:
去年の月収26万→今年の月収27万→来年の月収27万
これ、来年の月収を見ると二人とも27万です。
でも、Aさんは28万から27万に下がっている。
Bさんは、今年の27万から変わらず27万。
金額だけを見ると、二人とも27万ですが、心理的落胆はAさんのほうが大きいんです。
Aさんは、去年から今年は1万アップ。これはこれで嬉しいことです。それはBさんも同じ。
給料が上がるのは誰でも嬉しいことです。
でも、給料が上がる嬉しさと給料が下がる悔しさとかガッカリ感を比べると、絶対下がるほうが嫌なんです。
Bさんは、今年と来年の給料は一緒なので、「あー上がらんかったなー」というガッカリ感はあると思いますが、「うわっ...下がった...最悪やーーー」とはならなかっただけマシです。
Aさんは、去年から今年にかけて給料が上がりました。その時は、「よっしゃ!上がったでー!」と喜んだと思います。でも、来年は「うわっ...下がった...最悪やーーー」となるんです。そして、そのガッカリ感は、給料が上がった喜びよりデカイんです。
例えば、メルカリで時々もらえるポイント。このポイントは、メルカリで買物するときに持っているポイント分だけ値引きしますよってこと。
このポイント、使いたいと思いますよね?
「ポイントあるんだったら、使わなきゃ損だよ!」と思うわけです。
しかも、ポイントって有効期限がありますよね。
有効期限を過ぎてしまうと、今あるポイントがなくなってしまうんです。もともとはタダでもらったポイントかもしれませんが、ここでもプロスペクト理論が働くんですね。
せっかくもらったポイントを失うのは嫌だ...と思い、「ポイントを使うため」に買物するわけです。
正直言うと、「ポイントを使うため」だけに買物をするのは賢い選択とは言えません。
ポイントを使うのはいいですが、いらないものを買うのは、それこそもったいないことです。
でも、ポイントの有効期限が近づくと、「やばい!使わなきゃ!」と思うわけです。
それほど「失う」のはガッカリ感が強いわけです。
メルカリボックスで
「ポイントが使えません。どうすればいいですか?」
みたいな質問が多いのも頷けます。
私も、「あっ、Yahooでもらった500ポイント明日じゃん!使わなきゃ!」と思い、ついつい「んんん...こんなもの買わなきゃよかったた...」と後悔したことがあります。
いろいろ経済のことを勉強すると面白いですね。
では!