宮木あや子『校閲ガール』を読んで
最近、「本を全然読んでないなー。このままじゃダメだ!何か読もう!」と思い立ち寄った本屋で見つけた本。
感想でも書いとかないと、読んだ内容をすぐ忘れちゃいそうなので、ここに書いておきます。
ストーリーをめっちゃ簡単に言うと、「今の仕事、本当は嫌で、本当は別の仕事をしたいんだけど、なんやかんやあって、今の仕事も悪くないなぁと思うようになる」お話しです。
校閲という仕事は、私の生活とは1ミリも関係がないにも関わらず、一日で読み終えてしまいました。
小説なんでもちろん内容はフィクションなのですが、共感できる部分はたくさんありました。
会社という組織は本当にやっかいで、いろんな人がいて、良い人もいれば、なんだこいつ!って人もいる。気が合う人もいれば、こいつとだけは仲良くなれない!って人もいる。
会社っていうのは、本当にやっかいな場所です。
やっかいだと思うなら、辞めればいい?
一部のお金持ちはそれでもいいのかもしれませんが、大多数の人は会社がやっかいだから、人間関係がダルいからという理由だけで会社を辞めることはできません。
なぜなら不安だから。収入がなくなる不安ももちろんあるけど、会社を辞めて何するの?って疑問に答えられないまま辞めるのは本当に怖い。
あと、会社を辞めちゃうと、社会から切り離されてしまうような気がして、それも怖い。
親や友達から何を言われるか分からないっていうのも怖い。
とにかく怖いことだらけだから、嫌で嫌で仕方がなくても、なんとか会社にしがみついて、毎月お給料をもらって生きている。
でも、「人生一回きり。楽しまなきゃ意味ないよ!」という意見もある。私も心の中ではそう思っています。
一回きりの人生、楽しまなきゃ意味ないって分かってはいるんですけど、一体どうやって楽しめばいいのかが分からなくて悩んでいる人は多いと思います。
いまの会社を辞めて転職すれば人生楽しくなるのか?
いまの人間関係から切り離されれば人生楽しくなるのか?
みんないろんなことを考えながら、時間だけが過ぎ去っていく。そして、心も身体も疲れ切っていて、動く気力もなくなってしまう...
あーいやだ。ここまで自分で書いてみて、ますます怖くなってきました...
どーでもいいことを長々と書いてしまいましたが、私が『校閲ガール』を読んで気付いたこと...それは
「いまの会社、いまの仕事を辞めずに、人生を楽しくする方法だってあるかもしれない」
ってことです。
私自身も数年前に人事異動を経験しました。
商品企画をする部署から営業部に配置転換。
最初はショックでした。人事部からは、「営業の現場を見てくれば、将来商品企画に戻った時絶対役に立つから」と言われました。
実際に、営業部に移ってから三年後、無事商品企画に戻してもらい、人事部が言ったことは本当だったんだ!と実感することができました。
営業部に移ったばかりの頃は、毎日が憂鬱でした。営業なんてやったことがなかったので、最初は毎日雑用ばっかりやらされて...
やっと先輩の営業に同行させてもらえるようになっても、「お前はついてくるだけでいいから!喋らなくていいから!」と言われてしまうし...
「俺、一年目の新人じゃなくて、一応商品企画ではそれなりに活躍してたんだけどなぁ...」
そう思いながら仕事してました。
でも、営業をするなかで、いろんなお客さんと出会い、自分の力で売上をあげる喜びを積み重ねていくうちに、営業も悪くないなあと思うようになれました。
営業部に移る時に言われた、「営業の現場を見てくれば、将来商品企画に戻った時絶対役に立つから」っていうのも嘘じゃなかったことが分かりました。誰かが作った商品は、誰か別の人間のおかげで売れる。それが会社の売上になって、それが私たちの給料になる。そんな当たり前のことにも気付くことができました。
現実を嘆くだけでは、何も変わらない。
現実を変えることが難しいなら、現実を好きになれるように努力するしかない。
全ては自分次第。現実は何も悪くないない。
これに気付けただけでも、あの時の人事異動は意味があったんだなあと思います。
『校閲ガール』を読んで、こんなことを考えていました。
いまの仕事を好きになれない...
自分の転職が何なのか分からない...
いまの現実に満足できない...
そんな人にオススメだと思いました。
では!!
超浅ーーーい読書感想文を失礼しました(笑)